絵画担当 教授(おおにし ひさし)
専門研究領域
絵画という様々な表現技法が含まれる分野の中でも、油彩画の表現について研究・制作をしています。とくに線や色彩、そして物質がもつ魅力が画面の中でどのような関係を築き上げ、絵の具や布の単なる「もの」が芸術という次元の「作品」まで昇華されるのか、様々な視点から可能性を模索しています。
絵画のもつ魅力、価値は、現代においても CG や映像のバーチャルな迫力にも劣らないと考えます。原始の時代から変わることなく脈々と続いてきた「描くこと」は、身体的な繋がりや触覚的な魅力を備えています。
だからこそ私たちの感覚の中枢に迫ってくるような強さをもっているのではないでしょうか。
ゼミ•研究室について
ゼミ研究では、自ら興味や関心のある事物との関係から世界や周囲の社会との関係について見つめ、本質的な問題への意識を強くしていくと同時に、それをどのように現代に生きる自らの表現としてまとめあげていくのかを探究していきます。制作においては、制作意図と表現方法の結びつきを柔軟な発想で捉え様々な試行錯誤の中から強い表現が生み出されるのではないでしょうか。
油彩、水彩を始め、様々な描画材や素材を使った表現も模索していきます。
指導では個人的に制作意図などを聞きながら助言していくと同時に定期的にゼミの仲間で講評会を行い、意見交換の中で新たな刺激を生み出していこうと取り組んでいます。
学生へのメッセージ
まず、本物に触れることから全ては始まると思います。美術の場合、それは必ずしも特別な場所での芸術鑑賞だけを指しているのではありません(もちろん芸術鑑賞も重要です)。身の回りにある事物(色や形、現象)や、実際の多様な造形活動まで五感を働かせて感受することそのものです。様々な体験が表現の大切な源になります。時間と空間を最大限利用して有意義な生活を送ってください。