喜多村 明里


美学・美術史学 教授(きたむら あかり)

専門研究領域

美学美術史学
美術館学芸員として企画展や展示の仕事をした経験があり、近現代美術にも関心がありますが、学生時代のイタリア留学の経験から、イタリア 14-16 世紀の絵画史や文化史・芸術論をとくに研究しています。ゴシック後期から初期ルネサンス、盛期ルネサンスからマニエリズムの美術に及ぶ広い領域になりますが、西洋美術史の中でもイタリア美術は西欧近代美術に多大な影響を与え続けているので、興味は尽きません。これまでは、15世紀フィレンツェ派の「出産盆」の絵画装飾や婚礼の美術、肖像画についてなどを研究して、さらに近年は、女性と芸術の関係について――芸術家、注文主ともに男性が大多数を占める時代に、女性はどのような位置を占めていたのかという視点から――16世紀の女性画家S・アングィッソーラや女性文筆家の作品について調査・研究し ています。

ゼミ:卒業論文や修士論文の研究

ゼミ指導では、学生個人の志向や関心を尊重して、自由なテーマ選択で研究に取り組んでもらいます。学生が選択した芸術・美術作品や作者に関する調査分析・解釈批評の研究のほか、時代・地域の異なる多様な作品の比較研究、「鏡」や「蛇」、「子ども」などの特定のモチーフがどのように表現され、どんな意味を担っていたかを探る研究(図像学・文化史・表象論的研究)、さらには、美術館の展示や教育活動について調べ、美術史学の知識や作品解説のスキルを学んで鑑賞教育の教材や指導方法を研究し考察する、といった視点の卒論研究や修士論文があります。指導は要点を押さえて丁寧にしますし、自主的に努力する学生を歓迎します。初めての研究で不安だ、という場合でも、スケジュールを共に考えて、出来ることからこつこつと取り組んでいけるようにてケアします。

学生へのメッセージ

アウグスティヌス(後430年没)によれば、傲慢(ごうまん)はあらゆる悪徳の根源であり最大の悪徳である、とのことです。「ゆとり世代」のレッテルに苦しみ怒っている人は多いと思いますが、でも他方、「適当に、この程度のレヴェルで良いよね?」といった判断をするときに、自分に甘くなっていないか、傲慢かつ怠惰な状態に陥っていないか、ちょっと用心する必要もあるのかもしれませんね・・・? また、周囲の人と同じようであれば安心だ、といった付和雷同の判断に溺れていては、あなたの能力と才能が活きてこない、もったいない、と私は思います。1%でもイイ、向上したい・・・と考えるとき、150%を目指そう、と考えるとき、そこに他人とは異なる、あなたならではの奮闘努力が始まることでありましょう。
私自身も同じです。実際には新喜劇のようなドタバタの日々、教員採用試験の対策や相談などの徹底ケアに努めつつ、少しずつ努力を続けて、美術史や文化史の論文などの執筆に取り組んでいます。
皆さん、たまにはこのような書籍にも手を伸ばして、美術史・ルネサンス文化研究の世界を味わってみてください。こういう世界もアルのです、美術科・図画工作科の先生にとって大切な、面白い世界なのです・・・。

主な担当授業科目

美術史学/美術史学演習/芸術学/芸術と人間(学部)
美学美術史学特論/鑑賞批評論 等(修士課程)

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