ウェス・アンダーソン監督作品10作をイッキ見
大人気のウェス・アンダーソン監督の映画作品10作をイッキ見した。
ウェス・アンダーソン監督の映画をイッキ見
『フレンチ・ディスパッチ』配信開始2022年3月16日
あの、映画『フレンチ・ディスパッチ』を早くも配信で見ることができる!3月16日からなので、早速、ディズニー・プラスの見放題で見た。
予告編に釘づけ
予告編のヴィジュアルと音楽に釘付けになり、2022年1月28日日本公開の『フレンチ・ディスパッチ』が見たくなった。梅田の「大阪ステーションシネマ」に行くことも考えたが、時節柄、映画館からは足が遠のく。そうこうするうちに、早くも配信が開始された。
ディズニー・プラスの見放題で3月16日16時から配信である。おバカだけど上品なストーリーは、味わい深いが、好みが分かれるかもしれない。ただ、美しい映像と音楽の波は、そこにのせられていく、うるわしい感覚を心地よいと思う方が、圧倒的に多いだろう。
監督は有名人、ということで最初に『グランド・ブダペスト・ホテル』を見てハマった
実は、『フレンチ・ディスパッチ』の予告編に魅了された後、監督のウェス・アンダーソンさんを調べたところ、なかなかの名物監督とのことを、恥ずかしながら、はじめて知った。そこで、『フレンチ・ディスパッチ』を見る前に、監督の『グランド・ブダペストホテル』を最初に見た。これが、きわめて美しく楽しくて惹かれ、つい、つぎつぎと監督の作品を見てしまうことになった。
ついに10作をイッキ見することにーヴィンテージ感があるのに新鮮な映像と音楽
監督の映画は10本あり、最新作の『フレンチ・ディスパッチ』を見る前に、それ以外の9作をすべて見るに至った。なかには、後味の悪いものもあるのでは、後悔するものもあるのではと恐れていたのだが、それはまったくの杞憂、おバカだけど上品で、ほろりとさせられ、ヴィンテージ感があって古びているけれど新鮮な映像と音楽の美しさに圧倒される作品ばかりで、とてもいい体験をさせてもらった。
映画芸術に詳しくなくても迫ってくる、独特のカラーや構図
映画の画面の色調を決める「カラーグレーディング」や、コントラストの効いた配色、限られた空間をのぞきこむようにして整えられた対称構図、ひたすら水平移動をとらえるカメラワークなど、10個の映画に共通のヴィジュアルが映画芸術に詳しくなくても圧倒的に迫ってきた。
小気味よい音楽
映画評論で取り上げられやすい映画って、眠たいのではという印象があるけれど、ウェス・アンダーソン監督の映画の場合は、映像の雰囲気を、ぴったりひきたてるメリハリのきいた小気味よい音楽に、のせられっぱなしである。
『ウェス・アンダーソン 旅する優雅な空想家』
最新の翻訳本を手に入れて
ウェス・アンダーソン監督を取り上げた本、『ウェス・アンダーソン 旅する優雅な空想家』を手に入れた。
帯に躍るキャッチには「ポップかつシニカル、そして大胆な脚本。精巧な構図とカメラ移動で生み出されるマジカルな空間演出。ひとクセもふたクセもありつつ、愛さずにはいられない登場人物たち……。最新作『フレンチ・ディスパッチ』へと至る、新時代の映画作家の足跡を辿る。」とある。
ウェス・アンダーソン監督の現時点での全体像を知ることができる1冊
この本は、監督の映画10作についての各章と、小品についての目録を含め、関連する情報で構成されている。スチール写真や、撮影風景の写真も豊富に載せられていて、ウェス・アンダーソン監督の現時点での全体像を知るにはうってつけの1冊になっている。
あまり期待していなかったが‥
細かい情報がびっしりと文章で綴られているのが、退屈という方もいらっしゃるかもしれないが、たかが紹介本と、あまり期待していなかったのに、ウェス・アンダーソン監督との出会いがはじめてだったこともあり、予想以上に時間をかけて楽しいひとときを過ごすことができた。装丁は、『グランド・ブダペスト・ホテル』に登場して愛されるお菓子MENDLE’Sのパッケージのイメージだ。
作品を見る
ウェス・アンダーソン作品を配信で見るには
ウェス・アンダーソン監督の映画10作のうち7作は、ディズニー・プラスの見放題で見ることができる。1ヶ月1000円で、短期的に加入してみるのもいいかもしれない。
他の3作はアマゾンプライムビデオで有料で見ることができる。『フレンチ・ディスパッチ』は、3月16日の時点、アマゾン・プライムビデオでは購入2000円からであるが3月30日には、レンタルもできるようになる。
はじめて見る一作は何がいい?
あえて、はじめて見る一作をあげろといわれたら、やはり『グランド・ブダペスト・ホテル』だろう。広く受け入れられやすいだろうし、キュートな美しさも味わいやすい。アカデミー賞の美術賞、音楽賞なども受賞している。2014年公開で、『アナと雪の女王』日本公開の年である。Blu-rayの特典映像には映画内に登場するお菓子MENDLE’Sの作り方まであって、見どころ満載だ。
ストップモーションアニメ作品も一見の価値あり
『フレンチ・ディスパッチ』にも出てくるアニメーション映像で、ウェス・アンダーソン監督が魅せてくれるのがストップモーションアニメ(人形コマ撮りアニメ)の『ファンタスティック・Mr.FOX』と空想の日本が舞台の『犬ケ島』だ。広く好まれるのは『ファンタスティック・Mr.FOX』だろう。
監督のわざと作り物っぽくしている映画の感じが、アニメーションでは際立って、一見の価値ありだ。原作は、『チャーリーとチョコレート工場』の、ロアルド・ダール。
『ファンタスティック・Mr.FOX』のディスクでは、メイキング映像などの特典映像を見ることができる。ストップモーションアニメのメイキング映像は、やはりおもしろい。
ウェス・ワールドヘ
ウェス・アンダーソン監督の映画は、あらすじを見ると、あまり魅力的には感じられないけれど、実際に見ると心が和み、目に耳に楽しい。
インスタのaccidentalwesandersonは、ウェス・アンダーソン的な世界の風景のハッシュタグ。本も出版されたほど鮮やかな写真揃いだ。