スピログラフ「もどき」 本家に負けず描けた! そして、ペン情報
スピログラフ、「もどき」よ、ごめんなさい。本家に負けず高度な模様もしっかり描くことができました!1枚、そって平面じゃないパーツがあったけどね。
スピログラフ「もどき」に再挑戦
「もどき」は描きにくいとお伝えしたが、撤回
本家の「スピログラフ・デラックス」とそっくりの22個のパーツから成る「もどき」が売られているので、手に入れて試したこと、先日、お伝えした。そのときは、本家に比べて「もどき」は描きにくく、高度な模様を描くなら本家の製品を手に入れた方がいいと申し上げたが、そうでもなかったので、訂正したい。高度な模様も、十分描けることを確認した。
現在の「本家」スピログラフを手に入れて
本家の「スピログラフ・デラックス」の新品同然の品が、メルカリで手頃な価格で出品されていたので、購入してみた。手持ちの55年前のスピログラフにはない変形歯車が、こちらには入っていることと、現在の解説書(デザインブック)がどんなものか見てみたかった。
並行輸入品だと、付属のデザインブックは英語
ビバリー社が日本語版を販売している「スピログラフ・デラックス」には、日本語に訳されたデザインブックが含まれている。並行輸入品が半額で販売されているが、付属するデザインブックは英語である。英語に抵抗がない方には、いい買い物だが、書籍やネットではわからない、高度なスピログラフ使いのコツが子どもにもわかるように書かれたデザインブックは、スピログラフを楽しみたかったら必読だ。日本語版で読んだ方が楽という方は多いだろう。(ビバリー社の「スピログラフ・デラックス」はすでにメーカーから販売されていないことがわかった。ここに書いた価格は、転売による高値の例である。新品での購入は考えないことをおススメする。正規に販売されていたときの価格は、現在の並行輸入品の価格よりも安価だったようだ。2022年5月12日)
親しみやすいデザインブック
デザインブックは、55年前のものに比べると、子どもを意識した、ずいぶんやさしい表現のしかたになっているので親しみやすい。
リング固定用練り消しの使い方のコツがわかった
「スピログラフ・デラックス」の使い方の説明を見て、新たなコツがわかった。リングを固定するためのパテ(過去ポストでは練り消しをオススメした)が、セットに付属しているが、これは少量を小さく小さくとって、紙とリングの間になるように使う。以前は、リングの上から多めの練り消しで押さえつけていたので操作性が良くなかった。練り消しを、本家セットのパテの説明にあるとおりに使うと、俄然描きやすくなる。
本家と同様、「もどき」で問題なく描くことができる!
「もどき」も、本家と同様に使ったところ、問題なく描けた。
本家の方が目盛りの表示が若干、見やすいのと、固定リングの目盛りが左右逆になっているのが、本家ともどき」との違いだ。
透明か、色つき透過色か
本家は、パーツの色がブルーの透過色である。白い紙に描く場合、透明よりは目盛りが見やすいという方もあるかもしれない。ただ、これも、「もどき」で色つき透過色のものがあるので、お好みでそちらを選べばいいだろう。ただし、不透明なものよりは、透過色の方が操作しやすい。
パイロット・ジュースアップ0.4で描く
セットに付属していた新品マーカーペンで描いてみたところ、経年劣化でカスレ気味だったので、過去ポストと同様、手持ちのパイロット・ジュースアップ0.4のカラーで、デザインブックにある模様をすべて描いてみた。
本家で、すべてを描いてみてから、「もどき」でいくつか描いた。過去ポストで苦戦を伝えた、55年前にはない変形歯車も、コツをつかめば、本家、「もどき」ともに、ちゃんと描くことができた。
不良品にあたることもあるが、「もどき」は十分使える
結論からすると、「もどき」は十分使える。ただし、個体差があって、ヒビが入っていたり、そった状態のパーツにあたることがある。そうはいっても、600円から1000円強で「スピログラフ・デラックス」と同等の22個のパーツが手に入るので手軽に楽しみやすい。子どもが兄弟で複数、自分用を持つのにも役立つ。
はじめてなら、一度、「デザインブック」で操作の原理を学ぶのがオススメ
本家の強みは秀逸な「デザインブック」である。
スピログラフを楽しみたかったら、なんらかの方法で一度は、これに目を通すのがオススメだ。それだけでも、本家を手に入れる意味はある。デザインをこの中から選ぶというよりも、シンプルな原理を学ぶことができ、いったんふれておけば、応用は自在だ。
描くのに使うペンで楽しみの度合いが左右される
つけくわえると、描くのに使うペンは楽しみの度合いを左右する。ペン先と紙の間にある程度、摩擦があるマーカーペンの方が書き損じが少ないように感じる。本家のセットに55年前のようなカラーボールペンではなく、カラーマーカーペンが付属しているのは納得がいく。
ペン選びの旅に出て、いろいろ比較してみた。
ペン選びの旅
細めで繊細に描くか、色濃く太めに描くか
スピログラフ、どんなペンを使うと楽しいだろうか、いろいろ試してみた!細めで繊細に描くか、色濃く太めにするかが大きな分かれ道だ。
ジュースアップ0.4以外のジェルペンや太めのペンで描く
スピログラフをパイロットのジュースアップ0.4で描いた模様を紹介してきた。ジェルペンは、さまざまな魅力的な色がたくさん販売されているので、他のペンを試してみたくなった。また、ジュースアップできれいに描けたのだが、写真にするときは、もう少し太めの方がいいようにも思った。そこで、いろいろなペンで描いてみることにした。
三菱のユニ・ボール・ワン0.5で描く
ジュースアップと同じ系列として、前から一度使ってみたかった人気のユニ・ボール・ワンの0.5は、ユニークな色名でインパクトのある雰囲気のある色合いがそろった書き味のいいジェルペンだ。フリーハンドで書くと、とても書き味がいいのだが、スピログラフで描くと、ジュースアップに比べ、急なカーブの曲線でインクがぼてっとして、均一な太さの線にならない。といっても、気にならない方もいらっしゃるかもしれないが。
ゼブラのサラサR 0.4で描く
サラサRの0.4は店頭で見つけた。通常のサラサクリップに比べて、色が濃くはっきり書けるというのがウリで、文字を試し書きして気に入り、スピログラフに使ってみた。ジュースアップやユニボールワンに比べると、線がやや太めではっきりしたインクの色が好ましい。ただ色の種類が少ないのが残念だ。
サラサクリップのマーブルカラー0.5で描くと楽しい
同じサラサでは、サラサクリップのマーブルカラー0.5がスピログラフにはうってつけで楽しい。このサラサクリップのマーブルカラー、書いていくうちに次々と色が変化するのだが、ある程度の長さ、書かないと変化が感じられないので、メモ程度ではよさが十分には楽しめないとの声がある。スピログラフでは、くるくる描いていくと途中の色変わりが模様に反映されるのが見てわかり、微妙に変化した色合いの模様が描ける。スピログラフにピッタリだ。
太めに描くにはマーカーペン
さて、太めに描くには、マーカーペンである。実は、「スピログラフ・デラックス」にセットされているペンは、マーカーペンである。けっこう太い。残念ながら手に入れたセットでは、前述のとおり、インクがかすれてしまったものの、紙の上で滑らないため、スピログラフでの描き損じが少なく描きやすいと感じた。
ゼブラのクリッカートで描く
そこで、人気のクリッカートを手に入れて描いてみた。線が太くしっかりと描けて、写真にするときにも映えそうである。繊細な線による美しさとは別の艶やかさがある。ペンによっては、描くときに使っている穴の中でカチカチとぎこちない感触を生むものもあるが、これは描くときの感触も悪くない。
スタビロのポイント88で描く
有名なスタビロのポイント88 FineLinerも使ってみた。なんとかきれいな線で描けたが、紙との摩擦がありすぎて、ややきしむ感じなのが残念だった。
トンボABTで描く
最後に、愛用の手持ちのトンボABTを使ってみた。やや水分が多いため、線の色ムラが生まれ、紙は水分で少し凹凸になり、スピログラフ向きではなかった。
ジェルペンの最初にジュースアップ0.4で描けたのはラッキーだった!
最初に、ジュースアップ0.4を使えたのはラッキーだった。ジェルペンとしてはスピログラフに向いている。メタリックカラーも含め、カラーもある程度バリエーションがある。細めの繊細な線で描きたいときにはピッタリだ。
サラサクリップのマーブルカラーはスピログラフの楽しさを盛り上げてくれる
色の楽しさという点で、サラサクリップのマーブルカラーはスピログラフを描くために生まれたのではないかと思いたくなるくらい、色の変化が楽しさを生んでくれる。
太めのマーカーペンならクリッカートで決まりか?
太めの艶やかな線で楽しみたいときはクリッカートが良さそうに見えたので、多色で試してみたくなった。
濃い太めの線で魅せるマーカーペンで
クリッカートはベストか?多色そろえて本格挑戦!
スピログラフ、濃い太めの線で魅せるのにはどんなペンがいいか?マーカーペンの方が楽しいときもありそうだ。試したクリッカートを追加購入して多色使いしてみた!使い心地はベストだったか?
紙との適度な摩擦による安定感で、描き損じが少なくなるマーカーペン
紙との適度な摩擦で、グリップ感があるというのだろうか、歯車を回転させていくときに安定感があって、失敗しにくい。わくわくと描いた。
描きたてのインクと歯車のすれたインクの跡ができてしまった!
色を重ねても変色しないのはクリッカートのいいところだ。ただ残念なことに、紙の上の描きたてのインクと歯車のすれたインクの跡ができてしまった。クリッカートのペンの個体差があって、何事もなく、きれいに描けるものもあるのだが。書き上げてしまえば、あまり見た目の良さの邪魔にはならないものの、完成度を求める方はガッカリされるだろう。(クリッカートは、スピログラフに使用するには、ペン先が弱くて、じきに、ペン先がつぶれてくるので、残念ながら、スピログラフにはあまり向いていないことがわかった。2022年5月12日追記)
サムトレーディングのカラーマスターで描く
太めの線ならではの魅力に惹かれて、もう一種、ペンを試してみた。カラーマスターである。
文房具というよりは、画材といった趣である。描き心地はきわめて良好で、コレだ!と思ったのだが、インクが出過ぎてこれも、すれたインクの跡ができてしまった。ただ、スピログラフでうまく使いこなされている方もあるようだ。(描く紙を画用紙にしたところ、とてもいい状態で描けるようになった。描き心地といい、水に滲まないことといい、耐久性といい、スピログラフにとても向いていることがわかった。2022年5月12日追記)
新品でなくなればインクが落ち着くか?
マーカーペンはインクの擦れが出やすいことがわかった。期待どおりの結果は得られなかったわけだが、新品を使用しての結果なので、ひょっとすると、少し時間をおいたらインクが落ち着くだろうかとも思ったりはする。あるいは、より給水性の高い紙を使用してみるというのもアリかもしれない。(カラーマスターで画用紙に描いて上手くいくようになったのは、吸水性が高いからだろう。かといって画用紙でも滲むことはなく、カラーマスターによる線はシャープだ。2022年5月12日追記)
スピログラフ「もどき」とペンの旅を終えて
思いもがけず、ペンのテストに夢中になって散財してしまった。これから使う方の参考に少しでもなればうれしい。描きやすいのはクリッカートなどの太めのマーカー、ただ擦れが起こりやすい。(既に追記したが、クリッカートはペン先が弱いのでスピログラフには向かないことがわかった。安価なペンとして、ペン先が硬いステッドラーのトリプラス・ファインライナーを新たに紹介する。描き心地も悪くない。カラーマスターと違って、水に濡れるとやや滲む。2022年5月12日追記)ペン先が滑りがちで描くのに失敗しがちだが、繊細にきれいにしあがるのは、ジュースアップなどのジェルペンということだ。オマケ情報として、楽しく描くのに、サラサクリップのマーブルカラーもいい。(繰り返しになるが、スピログラフにカラーマスターはピッタリだった。1本220円で全60色の中から気に入った色をバラ買いできる。とりあえず9色追加購入して使っている。2022年5月12日追記)最後に繰り返しになるが、スピログラフ「もどき」は十分楽しめる。ただし、本家スピログラフのデザインブックに一度は目を通すのがオススメだ。
アプリでは味わえない苦労を贅沢に楽しむ
アプリを使ったときにはないアナログな苦労に一喜一憂するのもチャレンジングでなかなか楽しいものである。今となっては、手書きの手帳同様、贅沢な楽しみなのだと思う。