美術分野学生の声①

美術分野学生の声①

私は子どもの頃から先生という存在に憧れ、そして絵を描くことが好きということもあり、兵庫教育大学学校教育学部の芸術コースに進学しました。高校時代美術の授業はありませんでしたし、特にそういった習い事をしていたわけでもありませんでしたので、美術コースで学ぶことは知らないことばかりでした。石膏や油絵具など、触ったのも初めてといった具合でした。しかし得意分野でなくとも、基礎を学びながら、かつそれぞれ思いおもいの表現ができるような授業ばかりで実技はすぐに面白くなりました。
また、3、4回生になると、いわゆる講義の授業が多くなりますが、絵画、彫刻、工芸、デザイン、美術史・・・等、どの講義も大変興味深く、私はこれほど好奇心を持って講義を受けたことがあるだろうかと感じるほどでありました。
制作に関してですが、それまで絵の具といえば不透明水彩とポスターカラーしか使ったことがなかった私は、大学に入って初めて使った透明水彩の美しさと自由さに感動して、水彩を主に使用していました。作品の規模を少しずつ大きくし、3回生になるころ自分の制作の目指すイメー ジがだんだん明確になっていきました。4回生になってからは、自分の作品が他人にどう見られるのか、評価されるのか、といったことにも関心を持ち積極的に公募展に出品するようになりました。美術コースに所 属してから4年間の制作で、時には自分でも驚く程順調に筆が進み、時には泣きながらパネルに向かい合っていたことを思い出し、ここへ来て良かったと感じています。
本コースの特徴は、1つの領域にとどまらず、様々な専門の先生方の授業を受けられることにあると思います。受身でいれば面白くなってきたところで講義は終わってしまうけれど、自ら動けば必ず応えてもらえる、多くのことにチャレンジさせてもらえる、そういう充実した環境であったように思います。その中で私は、自分自身や周りにとらわれすぎないで、もっと自由に表現してもいいんだ、と感じるようになりました。素朴な感想ではありますが、そのように思えたことは私にとって大きな変化でした。昔から図工や美術の授業が好きな方でしたが、そう強く感じ たことはこれまで一度もなかったからです。
美術コースでの4年間を終えた現在、私は、これからも自分が面白いと思ったことを見逃さず、やってみようと思ったことをそのままにせず、様々なことに挑戦し学んでいけたらと思っています。

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